退職理由から考える、定着率向上のためのスタッフマネジメントの考え方

スタッフの定着率を向上することは、
サポート品質の底上げをしたり採用コストを抑制したりすることにつながります。
定着率向上のためには退職率を下げることが必要ですが、
退職を申し出てきてから、すなわち退職意志を固めてからどれだけヒアリングしたり
説得しても時すでに遅く、多くの場合引き止めには成功しません。
退職の発生を抑えるためには退職の理由を事前に把握し、
それに対してあらかじめ手を打っておくことが必要です。

■退職理由の本音と建前


退職理由を把握するために、退職時にアンケートなどを実施しているケースがよくあります。
しかしながら、退職時のアンケートでの回答内容は建前で記載するケースが多く、
そこから真の退職理由はなかなか見えてきません。

退職時のアンケートなどの際によく記載される退職理由には、
「身内の看護」や「配偶者転勤のための引っ越し」、
「出産/育児」などの「家庭事情」、「他職への転職」、「体調不良」などがあります。

しかし、退職がすでに決まったスタッフが退職時に
どこまで本当の退職理由を記載するかは疑問です。
仮に今月末に退職が決まっているなら、いまさら波風を立たせたくないと思うのが心情です。
従って、その理由が込み入ったものであればあるほど真の理由は記載したくないでしょう。

 

■真の退職理由


退職予定社などに個別にじっくりヒアリングして詳しく訊いてみると、
上記とは違った側面が見えてきます(もちろんすべてのスタッフにしっかりと話しを聞けるわけではありません)。個別のヒアリングなどから上げられる退職理由として最も多いのは、
「人間関係」です。「人間関係がうまくいかないので退職する」とはなかなか言いづらいもの。従って問題の大きさに比較して、顕在化しにくいところがあります。

人間関係の中でも主なものの1つが上司に対する不満や不信です。
これはさまざまな組織に共通の課題とも言えますが、
サポートチームでの特有の課題も存在します。

サポートチームなどの組織の規模が大きくなると、日々の業務の管理や一般のスタッフと取りまとめる役割としてリーダー層を配置することがあります。
日常業務で一般スタッフが最も多く接するのはこのリーダー層であり、
その一般スタッフとリーダー層の間でうまく関係づくりができないことが
一般スタッフの不満や不信となって退職につながるケースがあります。
もちろんリーダー層に対するものだけではなく、
チーム責任者との関係づくりに課題がある場合も存在します。

人間関係におけるもう1つの主な課題は、
同じスタッフ間での横の人間関係がぎくしゃくする場合です。
誰々さんとは顔も合わせたくない、見ているだけでイライラするなど一個人に対するものから、派閥争い的なものまで、チームの規模が大きくなるほど問題が大きくなる場合が一般的です。
さらにはスタッフ間での具体的な対人トラブルが直接の退職理由になる場合もあります。

ヒアリングで聞かれる退職理由でもう1つ重要なのが、「待遇への不満」です。
その中身は給与や休日、業務に対するモチベーションやキャリアパス、
また業務や難易度に関するものなどさまざまな種類がありあります。

このように、個別のヒアリングなどで聞かれる「本音」の退職理由は、
良くも悪くも非常にリアルで人間的なものが多く、
退職時のアンケートでなかなか自ら進んで書けるようなものではありません。
仮に本音を書いたとしても後に遺恨を残すかもしれませんので、
建前の理由でお茶を濁すケースが多いのです。

 

■基本的な対応方針


退職率を抑制するためのスタッフマネジメントは、表面的な退職理由に”騙されず”に、
真の退職理由に対して有効な対策を実施することが必要です。
退職理由の多くはスタッフの家庭事情なので仕方ない、と高をくくっていてはいけません。
対応しなければならない主な項目の多くは、
上記の通り人間関係(上下関係と横の関係)および待遇の2点です。
それらのテーマに関して具体的に対策を実施していくことが、定着率向上につながります。